カヘティ地方と言えばワインが有名でジョージアのワインぶどうの生産量の50%以上がここカヘティからのものです。
僕らが住むクタイシがあるイメレッティ州もワインぶどうの栽培が盛んで有名ですが、カヘティ地方とは全く異なった気候風土だと言うこともありカヘティ地方とは異なったブドウ品種や栽培、収穫、醸造方法を行っています。
東のカヘティ地方がジョージア最大のぶどうの産地で、有名ワイナリーがずらり
西のイメレッティ地方が西ジョージアのワインの雄でちょっとマニアックでこれから伸びしろがある産地と言ったところでしょうか。(新しいワイナリーもバンバン出来ています)
僕らが経験した感じでは、カヘティ地方のワインは赤も白も濃いめ、重めでしっかりしたワインが多いのに反してイメレッティ地方のワインは白も赤も軽め、飲みやすいものが多いので好みやその時の気分や食事に合わせるのによるのでこの二つの地方の個性の比較はなかなか面白いと思います。
個人的には濃いめ、重めのワイン特に赤が好きなのでカヘティ地方に行った時は好みのワインが多かったのでテンションが上がりました。
今回はカヘティ地方巡りの中でも一際熱心に説明してくれ、ビンテージものの特別ワインもいろいろ開けてくれ4時間以上も楽しい時を過ごした思い出のワイナリーをご紹介します。
小さなワイナリーですが、曾祖父の代から受け継いでいる由緒正しいワイナリーでクヴェヴリを使った丁寧でこだわりのあるワイナリーでした。
僕らが訪れた2週間前にフランスでワイン醸造を学ぶ男女の日本人が訪れたらしく、その二人が二日間に渡りこのワイナリーを訪れ日本食も振舞ったようで、ここのオーナーさんと会って早々日本人だと言うと「カラアゲ!?」と開口一番に言われたので度肝を抜かれました。
そんな楽しい思い出が尾を引いているのか、いきなり親切にしてもらいオーナーさんが付きっ切りで説明してくれ、一緒に飲んでくれました。
そのうち気分が良くなってヴィンテージもののワインを2本開けてくれ話も盛り上がっていたのでお暇するにもできずに、4時間以上居座ってしまいました。
ファミリー経営感が温かく、ワインと一緒に出してくれた自家製チーズや親戚が作るジャム、
ハチミツ、ナッツ類と全て手作りで絶品でした。
肝心なワインはカヘティらしく重みがあるがアロマを感じバランスも良くなかなかに深い味わいだった。
ヴィンテージもののワインはその場で開けてくれ飲み干してしまうのがもったいないほど、まだひらききっていなく、じっくり、ゆっくり時間をかけて飲みたいものだった。
カヘティの赤ワインと言えばサペラヴィ種がほとんどだが(ムクザニはムクザニ村で採られたサペラヴィ種だし、最近のスタイルとして村名を入れたサペラヴィ種が増えている)
同じサペラヴィでも栽培の仕方や場所、気候風土や醸造の仕方により驚くべくほど多様に変化し、それぞれのワイナリーで驚くべくほど違うのでジョージアワインの魅力に改めてはまった。
作り手さんによる個性も大きく出るし、何よりも古い歴史と伝統はあるのだが、新しい作り手がどんどん出て来るし、作り方も多様に変化してきているので今のジョージアのワイン作りはわりと新しく変化し続けているので面白い。
一見気難しく、カヘティの人は特に頑固であまり表情をあらわさない人が多いが、一旦ワインを酌み交わし自分が作ったワインの話をすればじょじょに打ち解けて来て、ワインを巡る個々のファミリーヒストリーやストーリーが面白い。
ワインは天、地、人が創ると言われているぐらいだから、このカヘティの土地や土壌と気候風土自然、そしてワインを作っている人達その周りの家族や支えている人々の顔が見えて来る。
ワインを本当に飲もうと思ったらその土地、そのワイナリーに行き、作り手さんと話しながら一緒に飲むのが最高の飲み方だと思う。