もっと多いと思っていたがジョージアの世界遺産は案外少なく今のところ3つしかない。
(これから増えていくと思うし、ジョージア文字や歌など世界文化遺産もある)
①ゲラッティ修道院(以前紹介した我らがクタイシにある)
②ムツヘタの歴史的建造物群
③上スヴァネティ
今回は世界遺産③の上スヴァネティ
メスティアを中心としたこのエリアの文化的景観がユネスコの世界遺産登録されている。
ヨーロッパで最も高い所にあるウシュグリ村をはじめ(2410メートル)4000メートル、5000メートルの山々に囲まれた高所の独特の文化や景観、建造物群は世界遺産になっていなくても見るものを圧倒し、ジブリのナウシカが住む風の谷やラピュタのパズーが住む村などと類似していてどこか懐かしくメルヘンな感じさえする。
まず中心都市メスティアをはじめ、ウシュグリ村でも目を引くのが復讐の塔と言われる塔で実際に人が住んでいたらしいが、僕らが偶然にも好意で持ち主に中を案内してもらったものは10世紀頃に建てられたもので、下に家畜を飼い、火を炊き虫よけとしても使っていた。
4階建ての塔でその名の通り他の村などから当時の風習で復讐の文化があったようで、復讐を怖れ人々は塔に立てこもり復讐者から身を守る。
実際にいくつか穴が開いていてそこから外敵を見張り時には銃や弓などで外敵を打ち払っていたようだ。
外から見るのと中に入るのとでは大違いで意外に広くそしてなかなかに高い
子供が一緒だったので登るのになかなか大変だったが案内してくれたお兄ちゃんが一生懸命手伝ってくれて大人でも足がすくむ高さを登った。
それにしてもラッキーだった、お金を取られたり、何かを売られたりするかなと覚悟していたがそんなことは微塵もなくただの親切でやってくれて、物質主義に毒されているこちらが恥ずかしくなってしまった。
ウシュグリ村の景観も素晴らしく氷河をバックにまた一味違った復讐の塔が立っている。
僕らは決められたルートを行くのは癪だったので2410メートルの村からさらに登り、村の川を挟んだ対岸の山に登り氷河を目指した。
そこの景観もまた素晴らしく、グーグルマップのルートから外れていたので人は誰一人いなく、ウシや馬とすれ違い、馬が子供を心配して付いて来てくれるほどだった。(黒い立派な馬がずっと付いて来るのでそれが怖かったが)
世界遺産の村だけでなく、周りの景観そのものが本当に美しく壮大で神々しく普段ウダウダ、ぐちゃぐちゃ言っている子供達もここでは気持ちよく歩いていた。
宮崎駿監督絡みばかりで申し訳ないがまさにアルプスの少女ハイジの世界だった。
山も村も川も氷河も空も周りの自然も雄大で壮大で自分がどこにいるのか、ここが現実の世界なのか?を一瞬忘れてしまうような景観がここにはあった。
世界遺産世界遺産と騒ぐのが好きではなく、いろいろ世界遺産も見て来たがそうでもないのも沢山見て来たので、世界遺産の村ウシュグリ!というのを躊躇して俺は行かない!とあまのじゃく体質が出ていたが、ここは本当に来て良かった。
あまりの素晴らしさに次女は魔女のキキになり
長女は大の犬嫌いで日本では犬を見ると一目散に逃げていたが、ジョージアの犬は優しくて賢いことがだんだんわかってきて、この巨大な犬、犬神のような犬とすっかり心が打ち解けてもののけ姫になっていた。
それほどにもこの上スヴァネティの景観は素晴らしく人を変えてしまうほどだった。