ジョージアではこの地球上の気候帯全てがこの北海道ほどの国土の中で味わえる。
僕らが住むクタイシや首都のトビリシから3時間ほど南に下りトルコとの国境付近の街アハルツィヘやその周辺は乾燥帯で半砂漠地帯になっていて草木がほぼ生えていない。
車で45分ほどの距離にあるボルジョミとは雲泥の差がありこの一帯特にトルコの国境に近づけば近づくほど乾燥具合が増し、緑と森の国ジョージアとは思えないほどの荒涼とした大地が広がっている。
その半砂漠地帯の中にあるオアシス都市とも言えるアハルツィヘは立派な城もありアラビアンナイトとトルコとヨーロッパが合体したようなジョージア離れした街並みだ。(現在新たな街づくりをやっているらしく、どちらかと言うとヨーロッパ風の建物が増えている)
人々もトルコ系の顔の人が多く他の都市に比べても表情が豊かで明るく親切でお世話好きな感じの人が多い。
モンゴル、ティムール、オスマン、ロシア帝国と支配されこの場所の重要性と様々な文化や人々が交差する感じは今も色濃く残っている
そんなアハルツィヘの見所と言えばラバティ城そしてこの街を拠点として古代洞窟都市ヴァルジアを訪れたり、この地域の特異な風景や古代都市や城の名残を見て周ることだと思うが、かなり見所満載なので今回はラバティ城だけを紹介することにしよう。(ヴァルジアやこの地域の見所はまた追って書いていきます)
ラバティ城自体がアハルツィヘの歴史をそのまま物語っている存在で、トルコイスラム風アジアンな部分とロシア、ジョージアキリスト、正教ヨーロピアン風な部分が入り乱れている。
大規模な修復が行われたのが10年ほど前とわりと最近なのもあり、また現在の状況も加味して全体的にヨーロッパ風にしたいのだなという意図は見られるが、オスマン帝国支配が長かったからか素晴らしいイスラム建築や美術も見られその辺のコントラストが面白い。
黄金モスク風建物が敷地内にありひと際目立った存在だが中に入ってみると教会として使われていた感じもあり、なんとなくイスタンブールのアヤソフィアを思わせる。
敷地内に教会もありここは実際に使われている感があり、ジョージア人観光客とお土産売りのお姉さんがいきなり女性版ポリフォニーを即興で披露し始め、祈りの歌なのか、小さな教会に美しい歌声が響き渡り周りの異国情緒溢れる景色から一気にここはジョージアなんだと夢と現実の世界に誘われました。
こういう様々な文化や宗教や芸術が交差している所に出会うと、美しいものは同じであり、キリスト教もイスラム教も根本や本質は同じで何故争わなければならないのかちょっとわからなくなってきます。
少なくとも子供達にはお姫様や王子様がいそうな物語の世界をそのまま体現したようなこの美しい空間は「このアラジンみたいなお家に住んでみたい」と想像力を搔き立てられるようで、終始疲れることもなくずっと駆け回っていました。
アハルツィヘはこのラバティ城の画像を見てから絶対ここに行ってみたい!と思っていたので今回実際に行けて、その独特の雰囲気や様々な文化が交差する不思議な空気に触れられ僕は大満足だった。
泊まっていたアパートも非常に良かったし、レストランもまた他のジョージアの都市とは違う味付け、スパイス使いで満足できたし、アハルツィヘはジョージア国内にいながらもまた訪れたい街になった。
感覚なので説明がしづらいがこの独特の異国情緒溢れる乾燥したあの空気が自分のどこかの記憶を呼び覚ます感じがして僕はアハルツィヘの街が好きだった。
周りに見所も多いし、ラバティ城は誰が見ても感動すると思うし、現在アハルツィヘの街をより城下街風にしていてコロナ後の観光客が一気に増えて来ると僕は思った。
なので一気に観光客が増えてこの独特の雰囲気や素朴な人々が一気に冷めないうちに早目に訪れた方が良い街ではないかと僕は思う。
中国がかなり大規模なインフラ工事をボルジョミ近辺やここに繋がる道路沿いでやっていたのでどんどんジョージアは変っていくと思う
今のうち感がジョージアは強いので僕は今のうちに旅に出ることにしている。