こんにちは!ジョージアコーディネーターの五十嵐 唯です。
2026年5月後半、2回目となるジョージア南部の「サムツヘ・ジャヴァヘティ(Samtskhe-Javakheti)地方」を訪れてきました。
起点はアハルツィヘとアスピンザです。
前回はヴァルジア、ラバト城、トモグビ村など主要な観光地から秘境までを一通り巡り、ヒッチハイクまで経験したのですが、今回は観光地をあえて全パス!(地元民で会う人会う人にヴァルジアは行かないのか?と聞かれながら)
「地元食とワイン」にフォーカスした探求旅に出てきました。
クタイシ在住の日本人メンバー、ジョージアと日本でワインを造る友人、そしてJICAの友人に紹介してもらったこの地方担当の青年海外協力隊員の方と一緒に、ディープな世界を周ってきた様子をお届けします。
(※ワイナリーの詳しいお話は、長くなってしまうのでまた次の機会にじっくりご紹介しますね!)
ジョージア人も「よく分からない」食の秘境・空白地帯
実はこのサムツヘ・ジャヴァヘティ地方、ジョージア国内でも特に「食に関しては秘境」と言われています。
アルメニアやトルコと国境を接しているため、様々な文化が混ざり合った独特の食文化が築かれているのです。
地元のジョージア人の友人に聞いても、
「興味はあるけど、よく分からない」
「食べてみたいけど、ちょっと怖いかも……」
なんて答えが返ってくるほど、謎に包まれた食の空白地帯。
特にワインに関しては、誰に聞いても「分からん!ワイナリーがあるのかも不明。一軒だけ有名なところがあるらしいけど詳しいことは……」という状態でした。
この「沼」にハマり、本当は昨年訪れる予定だったのですが、当時は調査やアポ入れが難航して断念。
しかし今回は、ついにその貴重な固有ブドウ品種や、この地方ならではのワインを飲むことができ、ワイナリーやブドウ畑も案内してもらい、伝統的な宴会「スプラ」にも3回参加させていただくことができました!

究極のウルトラ地産地消!伝統の「メスヘティ料理」マスタークラス
食に関しては、時期が合わずにお目当ての「カタツムリ(エスカルゴ)」は食せなかったのですが、それ以外の「メスヘティ料理」はほぼ全て網羅したとお墨付きをいただきました!
滞在中、この地方の古代・固有小麦を使ったパン造りのマスタークラス(ワークショップ)に参加。
独特のパンやハチャプリ、ヒンカリ、麺料理などを現地の方と一緒に造り、その場で食すという素晴らしい体験をしてきました。
スプラで飲むワインから、パン、次々と出てくる料理にいたるまで、何から何まで全て地元のもので手作り。
その原材料が育つ畑まで見せてもらい、まさに「ウルトラ地産地消」のワークショップでした。

・メスフリハチャプリ(地域の伝統的なハチャプリ、ミルフィーユ状、層になっているデニッシュ生地のような絶品ハチャプリ)
・アポフティスヒンカリ(乾燥肉を使った小さくて形もユニーク可愛いヒンカリ、ソースに付けるなど食べ方が他のヒンカリとは全く異なる)
・タタルボラキ(小麦・麺・乳製品など独特な使われ方、味わい、アルメニアに近い料理)
・テニリ・チーズ(糸状の伝統的なチーズ)
・カダ(背脂や発酵した乳製品を使ったより伝統的なパン?だった)
・トゥトゥマジ(これにも麺が、ヨーグルトやミントなどハーブ系・乳製品が交じり合い、これまた複雑な味わい、牛乳から隣の家で採れたもので、全て地産地消になっている)
その他ジョージア中色々周り、世界色々な国で伝統的なものや手作りのものを食べ歩いているが、ここのはまた独特、面白い、凄くナチュラルに地産地消、その土地のものを利用していて、そのナチュラルさにビックリ仰天
覚えきれないくらい様々なものを出してもらい、食した
ホストの方がジョージア語しか分からないのが非常に残念だが
これらを全てその場で一緒に造り、食べ、飲み、造り手さんと語り合う。
これぞまさに「マスタークラス」という名にふさわしい、濃密な時間でした。
トルコに近いパン文化、アルメニアでよく目にする乾燥肉文化やスパイス、ドライフルーツ、そして桑の実と黒糖を合わせたような黒蜜風の甘いソース……。他のジョージアの地域とは一線を画す、ユニークな魅力が詰まっています。

「ジョージアのパルプンテ」?クヴェブリビールと固有品種ワイン
アスピンザの町中にあるクヴェブリビールのお店で何故か店のおっちゃんが
「タダで飲み比べしてみろ!」と何杯もご馳走になりました。
日本人が好きなようで、飲め飲めとその場で飲ませてくれ、自分も飲む
ジョージアの宴会スタイルで一気で飲む
ひと昔前はよくあったジョージアの光景がまだここには残っていました(笑)
これぞ「ジョージアのパルプンテ」。
お金を払うと言っても絶対に受け取ってくれない、ジョージアらしい温かさに感動です。
マスタークラス、ワイナリー2軒でのスプラでそれぞれ違う
この地方の固有ブドウ品種を使ったワインを3〜4種類ほど飲み比べることができました。
サムツヘ・ジャヴァヘティ地方のワインエリアは、全体の面積がまだ少なく、まさに「これから始まり、発展していく」という胎動を感じる場所。
今後の進化が本当に楽しみです。

サムツヘ・ジャヴァヘティ地方を旅してみて
小コーカサス山脈が聳え(そびえ)るこの地方は、標高が高く景色も最高。そして何より、人が明るくて本当に親切です。
犬たちも超フレンドリーで賢い
古き良きジョージアの温かさ・らしさが色濃く残っています。
ただ……冬はマイナス20度ほどになり、道が凍結してあちこちに穴が開くのだとか!寒さに滅法強い方であれば非常に住みやすい地方だと思いますが、寒いのが超苦手な僕は、住むのは遠慮しておきます(笑)。
でも、「また絶対に遊びに訪れたい場所」が一つ増えました。
まだ多くの人が足を踏み入れていない、ジョージア南部のワインと食の聖地。
これからジョージアを訪れる方、あるいは「まだ知らないジョージア」を探求したい方は、ぜひこの未知なる魅力を体験してみてください!