ゴリと言えばスターリン、知っている人はゴリカツ!と出て来るがワインが美味しいんだよとはジョージア人100人に聞いても出てこないかもしれない。
ゴリに実際に行ってみたが街中のレストランやスーパーなどにもこの地方のワインを取り扱っている所が残念ながらほぼなかった。
ジョージア人的には「ワインなんてどこにでもあるよ、うちでも作っているし」っと思う感じの人が多く意外とその違いや、ワイン自体に凄く興味を寄せる人が少ない。
こういうことは実際に作っている場所や人に会って話をするしかない。
美味しくてユニークなワイン、ここにしかないブドウ品種を使った、ここでしか飲めないワインを求めていつも世界中を周っている。
(ジョージアだけで固有ブドウ品種550種以上ある)
ゴリからマルシュートカで40分、アテニ渓谷のワイン産地を周った
上から下まで主に3軒のお目当てのワイナリーを巡り2時間半ほど歩いた
まずはマルシュの終着地からさらに山を少し登り川を越え、グーグルマップからも外れていて周りに何にもない宿もやっているワイナリー
ランチを食べようと思ったがジョージアではかなり高価な値段だったのでワインだけ買えないかと事前に連絡して行った。
ワイナリー巡りが面白いのはワインそれだけではなく、ワイナリーの場所や景色、そしてだいたいオーナー達のセンスが良いのでそこに置いてある調度品や家具、食器、絵、庭などが素晴らしくそれを見に来るだけでもかなりテンションが上がる
ここは主に3種類のワインを作っていて僕のお目当ての白のアテヌリ、チヌリそして赤はタブクヴェリ
白のアテヌリとチヌリがこの辺の固有品種でチヌリはそのままチヌリ100%だが、アテヌリはチヌリとゴリグリーン(ゴリムツヴァネ)をブレンドしたもの(80%と20%ぐらい)
このワイナリーの女性のお勧めはチヌリの2016年のヴィンテージとのことなので試飲させてもらい2017年とは同じものでもかなり異なるフルーティーでスイートなアフターテイストの2016年のチヌリとアテヌリを購入した。
ワイナリーを後にしてアテニ渓谷をゴリの街の方向へ下る
最後の目的地のワイナリーが2時間ほど下ったとこにあるのでちょうどその中間ぐらいにある2軒目のワイナリーを目指す
その途中修道院やその修道院が作っているワイナリーを越え、誰ともすれ違わないがこんな辺鄙な所にもワイナリーがいくつか点在していて後ろ髪を引かれる思いで通過していく
1時間ちょっと歩き、目的地の2軒目に着いたがワイナリーにいるのがおばあちゃんのみ。
どうやらワイナリーをやっている人間はトビリシに行ってしまっているようで、ワインは樽や瓶で売れるが試飲はできないとのこと。
ここのワイナリーは期待していたわけではなく、一軒目ですでに2本買ってしまったし、試飲もできないし、この先1時間くらいまた歩くしでおばあちゃんには悪いがまたの機会にすることにした。
途中唯一あった雑貨屋さんで腹ごしらえし最後のワイナリーを目指した。
最後のワイナリー、シャトーアテニは地元でも一番名が通っているようでちょっと外れた所にあったがわざわざ車を止めて地元の人が場所を教えてくれた。
ここはアメリカやベルギーにも輸出しているようでワイナリーの規模がわりと大き目で施設もかなり整っていた。
1ヘクタールの自家畑でアテヌリ、チヌリ、タブクヴァリのロゼそしてオリジナルのブレンド、ヒディスタウリを作っている
このヒディスタウリはスパークリングにもしていて、ペットナットもあるが3種類のスパークリング、4種類のワイン、3種類のチャチャ(タラゴンチャチャとバーボンのような樽熟成チャチャ)を作っていてスパークリング以外は有料試飲ができた。
ヒディスタウリ以外はクヴェブリ熟成は行っておらず、1件目のワイナリーでもそうだったが、クヴェブリ熟成はアテヌリやチヌリ、などシダカルトリのワインには向かないのか、何でもかんでもクヴェブリ熟成させれば良いというものでもないと思った
(僕はクヴェブリ熟成させているヒディスタウリがこの中では圧倒的に好きだったが)
ジョージアの中でもまだまだワインの産地とは知られていないゴリ、シダカルトリ州
実際に行ってみるのとそうじゃないとでは雲泥の差で、思っていた以上にワイナリーが多くしっかりしていて美味しくユニークなワインがそこにはあった。
一軒目で飲んだ2016年のチヌリのフルーティーさやアフターテイストの爽やかさと上品な甘さを味わった瞬間こんな遠い山の中に来て良かったと笑みが出た。
3軒目のヒディスタウリを飲み、まだこんなユニークで面白いワインがジョージアにあったのかと感動した
まだまだジョージアワインの世界は広く深い
5月はハンガリーのワイン産地を巡ってジョージアワインとの比較を進めたいのと、6月は再びカヘティやイメレッティそしてまだ行っていない地方に挑戦してみる予定だ
まだまだジョージアワインの旅は始まったばかり